本の仕上がりを想定する

 良い本を作る上で重要なのは、作りたい本の目的を明確にすることです。どんな目的でどんな種類のどんな内容を載せるのかをきちんと整理しないと、作業を混乱させてしまう可能性があります。目的を明確にした上で原稿を作成しましょう。
 見積りを知る上で本の仕上がりを想定します。最低限必要なことは、原稿の枚数・本のサイズ・写真や図表類の枚数・本の装丁・部数です。

本の装丁
 身近に有るお気に入りの本をサンプルにして、自分の原稿に必要なものをチェックしてください。(下表は必ずしも必要でないものもあります。また、足りない原稿はこれから用意しましょう。)

〈上製本の基本的な構成〉
項 目 主な原稿内容
書名、著者名、頒価など
カバー 書名、著者名、頒価など。印刷してからPP加工(艶のあるポリプロピレン貼り)するものもある
書名、著者名、頒価、内容、目次、宣伝文など
表紙 書名、著者名など
見返し 本来、表紙と中味の繋ぎの補強が目的ですが、なかには印刷する場合もある。裏表紙側にもつく
本扉 書名等。本文と違う紙を使うことが多い
口絵 写真や、絵画などにそのキャプション(著者近影や著者の作品など)アート紙などを使うことが多い
序文 他序(発刊にあたって恩師などからいただいた文章)、自序(はじめに、発刊にあたって、など)
目次 本文の編、章、節などの見出しをページをふってまとめる
中扉 編や章など本文を何編かに分けた区切りに章題等をいれる
本文 大見出し、小見出し、本文(写真、イラスト、表など)
付録・参考資料など 年表、参考文献など
あとがき おわりに、発行・取材協力などのお礼など
奥付 書名、発行年月日、頒価、著者名、発行所、印刷所など。上段に著者略歴など入れる場合もある
短冊 本とは別に「謹呈」などの文字を印刷して表紙の見返しにはさみ、親しい人に贈る

原稿の枚数
 参考にしたい本の1ページ当たりの字数を出し、自分の原稿の字数を割ってページ数を出します。(もっと正確にページを把握するには、ワープロなどで原稿を入力し、見出しや写真の入る場所の大きさなどを設定してください。)

本の大きさ
 基本的には規格サイズから選べば紙の無駄がなく効率的です。JIS規格のA判サイズではA4判〜A6判位、B判サイズではB4判〜B6判位が最適です。

〈JIS規格サイズ
判 型 寸 法 判 型 寸 法
A4判 210×297mm B4判 257×364mm
A5判 148×210mm B5判 182×257mm
A6判 105×148mm B6判 128×182mm

〈例〉比較的扱いやすいB6判とJIS規格外の四六判の参考文字数(縦組み)
判 型 寸 法 字詰め×行数(1ページの文字数)
B6判 128×182mm 41字×16行(656字)
四六判 130×188mm 43字×17行(731字)

製本の種類
 製本の種類は、大きく2つに分けられます。

上 製 本
(ハードカバー)
 背の平らな「角背」
 背の丸い「丸背」

並 製 本
(ソフトカバー)

 無線綴じ(のり)
 網代あじろ綴じ(のり)
 中綴じ(針金)
 平綴じ(針金)

上製本(ハードカバー)
 表紙に厚手の紙を使い革や布・紙を貼合せて、本文よりも少し大きく作ってあるものです。本文は糸かがりや無線綴じで製本されます。
  並製本(ソフトカバー)
 表紙に本文より少し厚手の紙を使い、表紙と本文を同じ寸法で仕上げるものです。上製本より比較的安価に出来ます。

 

糸かがり(糸)
 本の背を糸で縫うように綴じる、上製本によく使われる製本です。綴じた部分まで開くことができ、強度が優れています。

   
  無線綴じ(のり)
 最も一般的な綴じ方で、本の背をのりで綴じ、本文を表紙でくるむ製本です。この方法は、綴じた部分まで開くことができます。

網代あじろ綴じ(のり)

 本の背に切れ込みを入れのりで綴じ、本文を表紙でくるむ製本です。仕上げが難しいが、無線綴じより強度がよくなります。

   

中綴じ(針金)
 表紙と中身を重ねて開いた真ん中の折り目を針金で数ヶ所綴じる製本で、少し強度は落ちますが簡単で早くできます。本が厚くなると中心ページの仕上り寸法が小さくなるので注意が必要です。

   
 

平綴じ(針金)
 本の背から5mmほどの位置に針金で綴じる製本です。耐久性はありますが、綴じた部分まで開きません